
格安SIMが昼に遅くなるのは知ってた。でも「どれくらい遅いのか」を誰も数字で書いてくれないんだ
この記事でわかること
- 昼の遅さは会社ごとにバラバラではなく、はっきり3つの層に分かれること
- 一番落ちるMVNOは昼に13〜27Mbpsまで下がり、サブブランドの3分の1以下になること
- 楽天モバイルは平均こそ大手最下位だが、昼の落ち込みではMVNOより上の層にいること
- 体感を決めているのは速度ではなく「待ち時間」で、ここが層ごとに2倍以上違うこと
- 自分がどの層を選ぶべきかの判断基準
格安SIMに変えた人がほぼ全員ぶつかるのが、昼休みの遅さです。
調べると「回線が混雑するからです」という説明はすぐ出てきます。ただ、それだけだとどこを選べば避けられるのかが分からない。実際に僕もmineoで昼に困って乗り換えました。
そこで実測データを時間帯別に並べ直したら、思っていたよりきれいに3つの層に分かれていました。この記事では「混雑するから」の先、どの層を選べば昼に困らないのかまでを数字で出します。
先に、この記事に出てくる言葉を説明します
- 下り速度(Mbps)——1秒間にどれだけデータを受け取れるか。数字が大きいほど速いです。動画の画質やアプリの読み込みに効きます。
- Ping(ピン)——リンクをタップしてから相手のサーバーが返事を返すまでの往復時間。単位のmsはミリ秒で1msは1,000分の1秒。こちらは数字が小さいほど反応が速いです。ページが開くまでの「待たされる感じ」に効きます。
- MVNO——大手キャリアから回線の一部を借りて運営する事業者。mineo・IIJmioなど。借りた分を利用者全員で分け合います。
- サブブランド——大手キャリアが自社で運営する格安ブランド。UQ mobile(au)・Y!mobile(ソフトバンク)。自社回線をそのまま使えます。
- キャリア直営——ahamo(ドコモの格安プラン)や楽天モバイル(第4のキャリア)。どちらも自社回線で運用しています。
昼の遅さを決めるのは「混雑」ではなく「回線を借りているかどうか」
先に結論です。昼にどれだけ落ちるかは、その会社が回線を借りているのか、自社で持っているのかでほぼ決まります。
MVNOは大手キャリアから帯域を「まとめ買い」して、それを契約者全員で分け合っています。昼休みに全員が一斉に使えば、買った分を超えて渋滞します。混雑が原因なのは正しいのですが、渋滞するのは借りている道だけです。
一方でサブブランドやキャリア直営プランは、親会社の回線をそのまま使います。だから昼でも落ち込みが小さい。ここが構造的な差です。
実測:昼になると何が起きているか
実測値を投稿ベースで集めている「みんなのネット回線速度」から、代表的な6社を時間帯別に並べました。
| サービス | 朝 | 昼 | 夕方 | 夜 |
|---|---|---|---|---|
| mineo MVNO |
162.91 | 26.81 | 34.78 | 89.71 |
| IIJmio MVNO |
59.01 | 13.80 | 64.99 | 57.94 |
| UQ mobile サブブランド |
237.44 | 80.27 | 113.09 | 130.50 |
| Y!mobile サブブランド |
97.19 | 102.60 | 179.39 | 117.91 |
| ahamo キャリア直営 |
142.80 | 76.79 | 92.10 | 74.02 |
| 楽天モバイル キャリア直営 |
109.30 | 54.47 | 66.37 | 85.29 |
単位はMbps。出典:みんなのネット回線速度(各サービスのページ/直近3か月の実測投稿の平均値・2026年8月時点。楽天モバイルは「楽天モバイル(キャリア)」のページ)。朝は5〜9時、昼は12〜13時、夕方は16〜19時、夜は20〜23時。
並べると一目瞭然です。MVNOの2社だけが昼に別世界へ落ちています。mineoは朝の162.91Mbpsから26.81Mbpsへ、およそ6分の1。IIJmioにいたっては13.8Mbpsまで下がります。
対してY!mobileは昼のほうが朝より速いくらいで、そもそも落ち込んでいません。
意外なのが楽天モバイルです。平均下り速度は93.66Mbpsで大手キャリア7社中の最下位なのに、昼は54.47Mbpsを保っています。朝から昼への落ち込みは半分程度で、MVNOの6分の1とはまるで違う。「楽天は遅い」という評判は平均値の話で、昼の混雑に弱いという意味ではありませんでした。自社回線を持っている強みがここに出ています。

平均速度のランキングだけ見てると、この差は絶対に見えないんだ。mineoは平均なら格安SIMで3位だから
格安SIMは昼の速さで3つの層に分かれる
同じデータを層で整理すると、選び方がはっきりします。
| 層 | 例 | 昼の下り | 昼のPing |
|---|---|---|---|
| MVNO 回線を借りている |
mineo IIJmio |
13〜27Mbps | 83〜95ms |
| キャリア直営 自社回線 |
ahamo 楽天モバイル |
54〜77Mbps | 53〜54ms |
| サブブランド 自社回線 |
UQ mobile Y!mobile |
80〜103Mbps | 39〜40ms |
出典:みんなのネット回線速度(直近3か月の実測投稿の平均値・2026年8月時点)
昼の下りでMVNOはサブブランドの3分の1から7分の1、Pingは2倍以上かかっています。会社ごとにバラバラなのではなく、回線を借りているかどうかで層になっていました。楽天モバイルがahamoと同じ層に入るのも、自社回線を持っているからです。
「サブブランドなら昼も全く落ちない」ではありません
UQ mobileは朝の237.44Mbpsから昼は80.27Mbpsへ、割合で見れば3分の1になっています。落ちてはいるのです。ただし落ちた後の水準が80Mbpsあるので困りません。大事なのは落ち込み率ではなく、落ちきったところの絶対値です。
体感を決めているのは速度よりPing
ここが多くの記事で抜けている部分です。13Mbpsでも動画は普通に見られます。YouTubeの高画質でも必要なのは5Mbps程度なので、数字だけなら足りているのです。
それでも昼に「重い」と感じるのは、Pingが効いているからです。下り速度が「一度に運べる荷物の量」なら、Pingは「注文してから届き始めるまでの時間」にあたります。
Pingの差は「秒」ではなく「回数」で効いてくる
MVNOの昼のPingは83〜95ms、サブブランドは39〜40ms。差は0.05秒ほどです。ただしWebページを1枚開くのに通信は数十回発生します。この往復が積み重なるので、表示完了までの差ははっきり体感できる長さになります。
つまり昼に困るのは「動画が止まる」からではなく、ページを開くたびにワンテンポ待たされるからです。ニュースを2〜3本読むだけでストレスになります。
僕がmineoをやめたのもこれが理由でした。詳しい実測はこちらの記事にまとめています。

どの層を選べばいいか
ここまでの数字をふまえると、MVNOが悪いのではなく「昼に使うかどうか」で答えが変わります。安さを取るか、昼の快適さを取るかの選択です。

契約する前に、自分が普段どの時間にスマホを触ってるか思い出してみて。そこだけで答えが決まるよ
僕は昼休みと通勤時間がスマホの中心だったので、MVNOは向いていませんでした。いまはahamoで、毎月30GBを使い切る生活を2年続けています。

格安SIMの昼の遅さについてよくある疑問
Q. 同じMVNOでも回線をドコモ・au・ソフトバンクで選べば変わりますか?
多少は変わりますが、昼の谷はなくなりません。たとえばmineoの回線別の平均下り速度はau 118.82Mbps、ドコモ 118.44Mbps、ソフトバンク 80.77Mbpsです。ソフトバンク回線は明確に低いので避けたほうが無難ですが、借りた帯域を分け合うという構造そのものはどの回線を選んでも同じです。
Q. 大容量プランにすれば昼も速くなりますか?
なりません。プランの容量は「1か月に何GB使えるか」の話で、混雑時の速度とは別物です。「データを使い切って遅い」のと「昼だから遅い」のは原因が違います。自分の不満がどちらなのかを先に切り分けてください。使い切っていないのに昼だけ遅いなら、それは混雑が原因です。
Q. 別のMVNOに乗り換えれば解決しますか?
あまり変わらない可能性が高いです。昼の落ち込みはMVNO共通の構造だからです。実際、この記事で比べたmineoとIIJmioはどちらも昼に大きく落ちています。谷そのものを避けたいなら、MVNO内で移るのではなくサブブランドかキャリア直営プランへ層を変える必要があります。
Q. 楽天モバイルは「遅い」と聞きますが、昼はどうですか?
平均速度は93.66Mbpsで大手キャリアの中では最下位です。ただし昼の落ち込みは54.47Mbpsで止まっており、MVNOの13〜27Mbpsより明確に上の層にいます。「遅い」と言われるのは主に建物の中や地方での電波の入りにくさで、昼の混雑への弱さではありません。楽天経済圏を使っている人には料金面の相性も含めて選択肢になります。楽天モバイルが向く人・向かない人は別の記事にまとめています。

Q. 昼の1時間だけのために料金を上げる価値はありますか?
ここは人によります。判断材料としては、落ちるのは昼だけではないことを知っておいてください。mineoは夕方16〜19時も34.78Mbpsまで落ちます。通勤や買い物の時間も含めると、影響を受けるのは1日1時間ではありません。そのうえで気にならないなら、MVNOは十分に合理的な選択です。
まとめ|格安SIMの昼の遅さは「層」で決まる
- 昼の遅さは会社ごとにバラバラではなく、回線を借りているか自社で持っているかで3つの層に分かれる
- MVNOは昼に13〜27Mbps、サブブランドは80〜103Mbps。3分の1から7分の1まで開く
- 楽天モバイルは平均こそ大手最下位だが、昼は54Mbpsを保ちMVNOより上の層。自社回線を持つ強み
- 体感を決めているのはPing。MVNOは昼に83〜95msで、サブブランドの39〜40msの2倍以上かかる
- 13Mbpsでも動画は見られる。困るのは「ページを開くたびに待たされる」ほうで、これはPingの差
- 昼と夕方にスマホを使わないならMVNOで十分。使うならサブブランドかキャリア直営プランへ層を変える

平均速度のランキングじゃなくて、自分が使う時間帯の数字で選ぶ。これだけで乗り換えの失敗はかなり減るんだ
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