
積み立ててたはずなのに、解約したら1円も戻ってこなかったんだよね。あれ何だったんだろうって、今でもたまに思い出すよ。
この記事でわかること
- 月3万円ほどの貯蓄型保険を2年で解約して、返戻金が0円だった実話
- 契約から短期間で解約すると返戻金がほとんど残らない理由(公的機関の説明つき)
- 「保険は保険、投資は投資」に分けると何が見えるようになるのか
- 2026年8月に変わった高額療養費制度の自己負担上限(最新の数字)
保険の話は、たいてい断りづらい場面でやってきます。
僕の場合は結婚式の見積もりの席でした。人生の大きな買い物の話をした流れで、そのままファイナンシャルプランナーの無料相談を紹介されたんです。
気づいたらがん保険と終身保険で月3万円ほど払っていました。「積み立てにもなるから」という説明を、そのまま信じていたからです。
その2年後、仕組みを調べて解約しました。戻ってきたお金は0円でした。
この記事では、そのときの数字と、あとから知った仕組みを正直に書きます。読み終わるころには「その保険を続けるかどうか」を自分で判断する材料がそろいます。
先に結論です
僕は「保険は保険、投資は投資」で完全に分けました。いま入っているのは掛け捨ての収入保障保険だけです。
保障と資産形成が1本の商品に混ざっていると、自分がいくら払って、いくら運用に回っているのかが見えません。見えないものは、良し悪しを判断できません。
結婚式の見積もりで、月3万円の保険に入っていた
紹介されたのは、結婚情報サービス経由の某ファイナンシャルプランナー相談でした。無料です。
相談自体は丁寧でした。将来の教育費や老後資金の話をして、「今から始めると有利ですよ」という流れで商品が出てきます。
入ったのはがん保険と終身保険。合わせて月3万円ほどでした。当時の僕にとっては、かなり大きな固定費です。
納得していた理由は、ひとつだけでした。「掛け捨てじゃないから、貯まる」と説明されたからです。

無料相談って、こっちがお金を払ってないぶん「親切な人だ」って思っちゃうんだよね。でも相談員さんの報酬はどこから出てるのか、当時は考えもしなかった。
いま振り返ると、確認しておくべきだった3つ
- 誰が費用を負担している相談なのか——無料相談の多くは、契約が成立したときに保険会社から手数料が入る仕組みです
- 保険料のうち、いくらが積立に回るのか——ここを聞かないと「貯まる」の中身がわかりません
- 途中でやめたら、いくら戻るのか——契約年数ごとの返戻金の推移は、設計書に必ず載っています
2年で解約したら、返戻金は0円だった
加入から2年ほど経ったころ、仕組みを調べ直して解約しました。
そのとき戻ってきた金額が、0円です。
月3万円を2年払い続けた計算なので、総額はおよそ72万円(3万円×24か月)。積み立てているつもりだったお金は、1円も戻りませんでした。
当時は「なんで?」と思いましたが、あとから調べたらこれはまったく例外的な話ではありませんでした。むしろ仕組み通りの結果でした。
公益財団法人 生命保険文化センターは、解約返戻金(かいやくへんれいきん=解約したときに戻るお金)についてこう説明しています。
公的機関の説明
「契約してから短期間で解約したときには、解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずかです」
理由は「保険料の一部が毎年の死亡保険金等の支払いや生命保険会社の運営に必要な経費に充てられるから」で、解約返戻金は「通常は払い込んだ保険料総額より少なくなります」とされています。
つまり払ったお金がまるごと積み立てに回るわけではありません。保障のための費用と、会社の運営コストが先に引かれます。
そして契約の初期は、この費用の割合が大きい。だから短期で解約すると手元に残らないのです。
僕が損をしたというより、最初からそういう設計の商品を、理解しないまま買っていたというほうが正確でした。

「元本割れ」って言葉は聞いてたけど、まさかゼロとは思ってなかったよ。設計書の返戻金の表、契約前にちゃんと見ておけばよかった。
貯蓄型保険と「掛け捨て+NISA」は何が違うのか
解約したあと、保障と資産形成を切り離しました。整理すると、違いはこうなります。
| 見る項目 | 貯蓄型(終身・積立) | 掛け捨て+NISA |
|---|---|---|
| 毎月の負担 | 大きい(僕は月3万円) | 保障だけなら小さく抑えられる |
| 途中でやめたとき | 契約初期はほぼ戻らない | 保障は消えるが、積立分は自分の口座に残る |
| 中身が見えるか | 保障と運用が一体で、内訳が見えにくい | 別々なので両方見える |
| コストの分かりやすさ | 保険料に含まれ、内訳は示されないことが多い | 信託報酬などが数字で明示される |
| やめやすさ | やめると損が確定しやすい | 積立の停止・再開が自由 |
| 税制の優遇 | 生命保険料控除(上限あり) | NISAは運用益が非課税 |
※商品ごとに条件は異なります。比較は考え方を整理するための解説用です。
いちばん大きい違いは、やめたくなったときに何が残るかでした。
投資信託なら、積立をやめても口座のお金はそのまま自分のものです。だから「合わなかった」と思った時点で軌道修正できます。
貯蓄型保険は、やめた瞬間に損が確定しやすい。やめにくさそのものが、見えないコストでした。
がん保険の前に、公的保険がどこまで払うかを見た
がん保険をやめる判断で、いちばん効いたのは高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)の存在でした。
これは、1か月に窓口で払う医療費が一定額を超えたとき、超えた分があとから戻ってくる公的な仕組みです。健康保険に入っていれば、誰でも使えます。
2026年8月から自己負担の上限が引き上げられました
ちょうど今月からの改正です。古い記事の金額のままでは判断を間違えます。
| 年収の目安 | 2026年7月まで | 2026年8月から |
|---|---|---|
| 住民税非課税 | 35,400円 | 36,900円 |
| 約260万〜370万円 | 57,600円 | 61,500円 |
| 約370万〜770万円 | 80,100円+1% | 85,800円+1% |
「+1%」は、医療費が一定額を超えた部分にかかる上乗せ分です。出典:厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」
年収300万円台の我が家なら、入院してどれだけ医療費がかかっても、1か月の自己負担は61,500円が上限という計算になります。
さらに2026年8月から年間の上限額も新設されました。年収約260万〜770万円の区分では年53万円で、ここに達すればその年はそれ以上の負担が不要になります。
長く治療が続く人ほど効いてくる改正です。だから「がんになったら青天井」という前提は、そもそも成り立ちません。
ただし公的保険でカバーされないものもあります
- 差額ベッド代——個室などを希望した場合の費用
- 先進医療の技術料——公的保険の対象外
- 働けない期間の収入減——治療費とは別の問題です
- 食事代・通院の交通費
ここを貯金で吸収できるかどうかが、医療保険を持つかどうかの分かれ目でした。僕は生活防衛資金で足りると判断してやめています。

「保険がいらない」んじゃなくて、「公的保険がもう入ってる」って話なんだよね。ここを知らずに民間の保険を足すと、二重に払うことになる。
貯蓄型保険が向いている人・やめていい人
念のため書いておくと、貯蓄型保険が全員にとって間違いというわけではありません。
僕がやめたのは、僕の状況に合っていなかったからです。判断の軸を並べます。
続ける・入る価値がある人
- 払込期間を最後までやり切れる見通しがある(途中解約が最大の損失要因)
- 自分では絶対に貯められない自覚がある。強制力にお金を払う判断はあり得る
- 相続対策として使う目的がはっきりしている
- すでに払込期間の後半まで来ていて、返戻率が上がりきる手前にいる
- 保障そのものが今の家族構成に本当に必要だと確認できている
やめていい人(僕はこちらでした)
- 何にいくら払っているか説明できない。これが一番の危険信号でした
- 保険料が家計の固定費を圧迫している
- 公的保険でどこまで賄えるかを確認したら、上乗せが過剰だった
- 資産形成の手段として入った。それなら投資で直接やったほうが速い
- 加入のきっかけが自分から探したものではなかった
見比べて気づいたのは、右側はほとんど「入り方」の問題だったということです。
必要だから選んだのではなく、勧められた場で決めた。ここが僕の失敗の本体でした。
保険を見直す前によくある疑問
Q. 今解約すると損が確定します。それでも解約すべきですか?
「これまで払った分」は、続けても解約しても戻ってきません。判断すべきなのはこれから払うお金に見合う価値があるかだけです。
ただし払込期間の終盤にいる場合は事情が変わります。返戻率は満了に近づくほど上がるので、まず設計書で「あと何年でいくらになるか」を確認してください。数字を見てから決めれば後悔しません。
Q. 返戻金が0円なんて、だまされたのでは?
残念ながら、これは制度として正常な動きです。生命保険文化センターも「契約してから短期間で解約したときには、解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずか」と説明しています。
そして年数ごとの返戻金額は、契約時の設計書に必ず記載されています。見落としていた僕の側の問題でした。次に何かを契約するときは、必ずその表を見るようにしています。
Q. 掛け捨ては「捨てている」ようで不安です
僕もそう思っていました。でも掛け捨ては「万が一のときだけ大きなお金が出る権利」を買っているだけで、火災保険や自動車保険と同じ考え方です。
むしろ保障だけを買うから安く済み、浮いた分を自分の口座で増やせます。保険料が下がった分をそのまま積立に回せば、家計全体の効率は上がりました。
Q. 医療保険・がん保険は全部いらないのですか?
「全部いらない」とは言えません。判断は貯金でどこまで耐えられるかで変わります。
目安として、貯金が少なく、数十万円の想定外の出費で生活が回らなくなるなら保険で埋める意味があります。逆に生活費の半年分ほどの現金があるなら、公的保険+貯金で足りる場面が多いというのが僕の結論でした。
まとめ|保険は保険、投資は投資で分ける
- 結婚式の見積もりをきっかけに、がん保険と終身保険で月3万円ほど払っていた
- 2年で解約したら返戻金は0円。これは事故ではなく、契約初期はそういう仕組み
- 保障と資産形成が1本になっていると、何にいくら払っているかが見えない
- がん保険を判断する前に、高額療養費制度でいくらまで抑えられるかを先に確認する(2026年8月から上限が引き上げ)
- いま入っているのは掛け捨ての収入保障保険だけ。増やす部分は投資で別にやる
もう一度、いちばん伝えたいことを書きます。
保険は保険、投資は投資です。この2つを1本の商品にまとめると、どちらの性能も判断できなくなります。
いま入っている保険の名前を検索して、「保障」と「積立」のどちらが目的だったかを思い出してみてください。答えに詰まるなら、僕と同じ状態かもしれません。

ちなみに「解約したい」って伝えたときは、想像よりあっさり終わったよ。引き止められるのが怖くて先延ばしにしてたけど、迷ってる時間のほうがもったいなかった。
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